こんばんは、江東区の小松みきひでです。
本日は、都民ファーストの会による国政新党の設立記者会見が行われました。多くの政治関係者がドキドキヒヤヒヤしながら見守っていたのではないでしょうか。
地域政党から国政進出という試みは、主要なところでは、大阪維新の会に続き二例目でしょうか。(ニッチなところでは新党大地や沖縄社会大衆党、減税日本などありましたが…)
都民ファーストの会も同様の動きをとったことは、地方自治の観点からはとても興味深い営みだと思います。
候補者をずらっと揃えて、多様性!デジタル化!経済成長!と政策を打ち出したら、一気に流れが変わるかもしれない。
そう思いながら、記者会見の中継動画を眺めていたのですが……
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「責任ある政治を国政でもしっかりやりたい」
「いまの野党は左傾化してしまっている」
「政策や綱領は追って発表します」
え・・・?!
質疑応答含め40分ほどの会見でしたが、正直何を伝えたいのか、訴えたいのか良くわからない、グダグダな会見でした。少し拍子抜けした気分になりました。。
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選挙というのは「プロジェクト」です。
結党記者会見も、その一つの重要なマイルストーン。にもかかわらず、有権者やメディアの会見への期待値を大きく下回ったことが「グダグダだった」と思わせる要因であったと思います。
では、どうすべきであったのか。
誠に僭越ながら、各種選挙に向けた様々なキャンペーンを企画した経験を持つ政治家スタッフとして、そして少しコンサル的な視点も交えながら、「ファーストの会」に3つほどアドバイスを送りたいと思います。
「綱領や公約・政策は後日お伝えします」と言いながら「候補者を公募します」
いきなり「300の政策を出せ!」とは言わないまでも、政治的スタンスについて、「保守中道を目指す」と述べるにとどまり、具体的な政策の柱への言及はありませんでした。
綱領や公約・政策が会見で発表されることなく、その一方で「候補者を公募します」「志ある方は参加してほしい」という言葉が出てくる姿には、やはり違和感を覚えざるを得ません。
有権者の皆さんに対して、「政策は二の次だけど、とりあえずこの指とまれ」と暗にメッセージを出しているといえます。
私は、政治家・政党のこうした態度こそが、政治の無関心を生み出す大きな原因だと思っています。
まだ、12のゼロを掲げていた、4年前の希望の党の結党記者会見のほうがマシでした。
「都政だけでは限界を感じた」具体的な心打つエピソードのない課題意識
記者とのやり取りの中でこまごまと話はされていましたが、「都政の限界」はもっとこだわるべきだったかと思います。
「感染が広まる東京にワクチンの集中割当がなかった」
「偏在是正措置にNO!」
といった話はもっと「分かりやすく」描くべきだったと思います。
具体的に言えば、「私たちはここまでやった!でも国のこんなルールのせいで届かなかった!」という、小池知事の言葉を借りるならば「大義」が必要です。
例えば、偏在是正措置については、都政における改革へのスタンスを強く打ち出していくことが前提にあると思います。この辺りは音喜多さんのブログにいい記事があったのでご参照をば。
「果たして、都民ファーストの会のこの4年半の歩みの中に大義はあったのか」という点から振り返り、こだわりを持つべきであったと思います。
(余談ですが、「東京は日本の成長のエンジン」と都議選で訴えていた方が偏在是正措置を許容しているととれる発言をされていて「絶句」したのですが、音喜多さんのブログを100回位読んでほしいですね)
会見までに間に合っていないホームページやSNS。選挙はロジが勝負である。
「準備不足」は政策やエピソードの話だけにとどまりません。
ホームページのビューがテストされていないのか、「何と書いてあるのか分からない」という事象も。ホームページのURLが会見で伝えられたタイミングもTwitterアカウントはまっさらな状態。
広告代理店やコンサルの世界であれば、クライアントにこんな大恥をかかせる行為は首切りものです。こんなことをしない・させないために、何度もレビューしたり、時に徹夜をしてでも「間に合わせる」。クライアントやその先にいるユーザ・消費者の方からの信頼の大前提です。
翻って、政党がメディアを介して「ホームページこれです!」と発表するタイミングに準備が間に合わなかったというのは、(お客様というのはおこがましいですが)関心のある有権者・支援者に対する不誠実さそのもの。民間の感覚からすれば、絶対にやってはいけないことだと思います。
(まあ逆を言えば代理店やコンサルがバックについてない証左かもしれませんが)
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選挙はロジ勝負。様々な書類を準備したり、有権者やメディアの対応、戦略・戦術の検討などやるべきことがたくさんあります。
こうしたロジ回り一つひとつを疎かにせず、チームで適切な役割分担の下に対応をしていくことこそが、必勝への王道です。
スタートでこんなごたついているのに、衆院選を乗り越えられるのだろうか、と少し裏方目線で心配になってしまいました。。
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と、ここまで、3つのポイントに絞って、「ファーストの会」国政進出に向けたアドバイスを書かせていただきました。
選挙を経験した方には共感していただける内容もあったのではないでしょうか。
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ただ、相手がどんな出方をしようが、私たちにできることはただ一つ。
自身が信ずる道を有権者の皆さんにしっかりとお伝えをしていく。それに徹するしかありませんね。
ああ、久々にいい記事を書いた気がする。頑張りました。笑
明日は月曜日。来週もがんばりましょう!それでは、また。
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