どんな野暮ったい行政の話も、そこには必ず当事者がいる。徹底したオープンネスで、ボストンからアメリカを変えた市長が印象的な映画「ボストン市庁舎」を見てきた話

こんばんは、江東区の小松みきひでです。

https://twitter.com/komatsumikihide/status/1467141495073669122?s=20

三次ゆりか区議とともに、ラジオ番組風のTwitterスペース番組「Let’s こうとーく!」企画をスタートさせました。

「1時間も話せるかな…」「視聴者少なかったらどうしよ…」と思っていましたが、江東区民の皆さんはじめ、たくさんの方にご視聴いただきました!ありがとうございました!

番組で話題にした、「東京ベイeSGまちづくり戦略」については、明日のブログ記事としたいと思います。来週以降も、引き続き様々な企画をしていきますので、ぜひご期待ください!!

さて、本日の日中は映画「ボストン市庁舎」を見てきました。

https://twitter.com/komatsumikihide/status/1467101900273516546?s=20

ツイートにも記載しましたが、なんと4時間45分(!)もの超長編動画。(おかげでブログタイトルまで長編に!笑)

途中に10分間の休憩があったとはいえ、映画館ですから、立ったり座ったりなど体を動かすこともできず腰がバキバキです。。苦笑

というのはさておき、すべてボストン市政で起きた事実で網羅された、ドキュメンタリー映画。

ボストン市のマーティン・ウォルシュ市長(当時)が政治に向き合う姿勢含め、大変印象に残ったシーンがいくつかあったので、備忘もかねて記事にしたいと思います。

※以下、一部ネタバレあり※

市役所での、同性カップルの婚姻手続き

日本では実現していない同性婚制度。アメリカでは2015年の最高裁判決で同性婚が合憲であると判決が下され、各州で法制化されています。

映画の中では、女性同士のカップルが、結婚の手続きを行う様子が取り上げられておりました。愛し合うカップルの喜びを画面越しに見受けながら、日本ではこのシーンを見ることができない現状への不甲斐なさを感じながら、色々な感情がこみ上げてくる「じーん」と感じる一幕でした。

ちなみに、よく結婚式場で神父さんが言っているような「私○○は~妻をいかなるときも~~」みたいなあの復唱を市役所職員が行っており、驚きでした。日本だったら、婚姻届を出しておしまい、なはずですが…(結婚したことないからわからない)

食事を囲みながら、市民と市長が語らう機会

地域の高齢者や、様々なルーツを持つ人々を集めた集会の様子が何度かありました。市長が登壇し、市民と対話をしていくシーンなのですが、その多くで、「食事」がふるまわれていたことが驚きました。

日本には、食事をしながら政治家と語る機会って、その政治家の後援会でもない限り、滅多に無いですよね。

落ち着いた環境で、薬代が毎月XXドルもかかって生活が苦しい」といった生活困窮を訴える声、「マイクロソフトだと思っていたらフィッシングサイトにアクセスしてしまい、お金を取られてしまった」といった生活相談の声が上がるなど、日本の政治の世界とも重ねって見えるところがありました。

「何か困ったことがあれば、いつでも市長室に電話を。Call 311」

311は市のホットラインで私の部屋に繋がっています。ボストンの市民なら311に電話して訴えて、いいですね? 通りで私を掴まえて話を、車で通りすぎたら引き返して話を聞きます。

先述したような、市民との対話を通じて、市長が話していた「Call 311」(311番に電話するように)

日本では、警察は110番、消防・救急は119番、といった形で緊急通報をすることができます。それと同様に、ボストン市では、「311」に電話をかけることで、24時間365日、緊急性を要しない市民相談をワンストップで対応してくれるようです。

倒木があり、停電している」「鳥の動きがおかしい、けがをしているかもといった電話が寄せられるシーンが映画にありました。

そして、市長室には、電話の対応状況や、どの地域から上がったケースかなどを視覚的に表示するボードが設置されていました。

ボストン市役所のホームページより。

もちろん日本でも、区役所や市役所の代表電話に電話をすれば、取り合ってくれるのかもしれませんが、当然17時には営業終了、土日祝日や年末年始はもちろんお休みです。

もちろん、24時間365日のコールセンターサービスを運営するには相応のコストが生じることでしょう。ただ、市民の安心、市政への信頼を生む大きな役割を果たしているものと窺えました。

麻薬ショップを出店したい事業者と、反対する地域住民

(私の理解が誤っていなければ)刑務所のある地域に麻薬ショップを出店する動きに、地域住民が待ったをかけるシーンです。

出所者の社会復帰に必要な営み」「ルール上、直接利益還元はできないがこの地域に尽くしたい綺麗な言葉で説得を試みる事業者に、地域住民は次々と反対のコメントを述べていきます。

相次ぐ反対コメントに、事業者側も「市に言われたからこの会をやってんだよ!」と怒りを滲ませるなど、双方譲らぬバチバチぶり。住民説明会のコーディネーター役の市職員にも「市長にも物申したい」と市民からコメントがあがります。

こうしたトピックは、その地域に住んでいなければ、特に関心も湧かないような政策課題、地域課題だったりするもの。日本にも、正直多々あると思います。ただ、当該地域の住民は当事者そのものなのです。

「治安が悪くなったらどうする」など、住民の不安に寄り添いながら進めていく困難さをまじまじと考えさせられるシーンでした。ちなみに、(日本と同様に!?)市長はこういう場には不在だったり。苦笑

映画を見終えてから色々と調べてみたのですが、ボストン市は民主党の牙城である、収録されたのは(共産党の)トランプ政権下といった政治的な事情もあったようです。

ただそうした政治的な事情以前に、ウォルシュ市長の徹底的なオープンネスには感動を覚えました。市民に開かれた市政を作ろうという強い意志と、時に自分自身の負の体験(アルコール依存症であった過去など)を交えながら、誰もが分かる、親しみを覚える表現で紡ぐ演説には心を打たれました。

「ボストンは多様な人たちが集まる街だ、だからこそ違いを、多様性を力にしていこう」

「ワシントンは(=アメリカ政府は)ちっとも動かない。市民の声とともに、ボストンから国を変えよう」

「ボストンで成功事例を作れば、それが広がって、最終的には国を変えていくことにつながるんだ」

4時間半を超える映画の最後にウォルシュ市長が市民にこう演説するシーンがあります。

なんだか聞いたことがあるフレーズだな、と思いながら、ウォルシュ市長が紡ぐ言葉と聴衆の眼差しに、私自身も目指したい政治の姿が垣間見え、感動のあまり涙が出てきました。

ボストン市は、先日の市長選でウー市長が当選。初の女性市長が誕生しました。就任演説では『息子から「男の子もボストン市長になれる?」と聞かれた』という名演説で話題になりました。

映画で取り上げられたウォルシュ前市長に続いて、こんな言葉を紡ぐ素敵な市長が誕生するボストン市政は、日本の政治のはるか先を走っているように感じます。

そして「あれ、ウォルシュさんは落選したのか?!」と思いきや。

国政に活躍のステージを移されていました・・・!

地域で小さな成功を積み上げて、国政を変えていく。私たちが目指したい政治の姿が、ボストンでは既に行われていたのです。

めんどくさいし、自分に関係ないと思ったらつまらない。それでも対話を続けて結論を見出していくこと、歩みを進めていくことが民主主義である、ということ。

そして、地域から小さな成功を積み上げ、国全体に波及させていくというモデルが正しい社会変革、改革の在り方であることを感じさせられる映画でした。

(余談ですが、この映画に関するTweetを探していたところ、「松井・吉村はこの映画を見たほうがいい」というツイートをいくつか見受けましたが、彼らが目指している改革のロードマップと共通しているのになあ、この人たちは何を見ていたのだろう、と思いましたとさ)

映画「ボストン市庁舎」。都内では新宿、渋谷、有楽町の3か所で公開されています。4時間45分、覚悟が必要ですが(笑)、行政や政治にかかわる方にはぜひ見ていただきたいです。

(長編映画だけあってチケット代は少しお高いのですが、市役所職員の方はじめ、自治体職員の皆さんは「市役所割」があるそうですよ。笑)

それでは、また。

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